冥府

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冥府の戦友と語る

戦争後記・余話

インドネシア国民は、アジア民族として同系同種という関係において或いは明治維新後我が国が欧米に追いつくには必要な資源国である等から以前より親近感を同国に対する宣撫工作を行って来た関係で特別に尊敬と信頼を示してくれた。
これらの条件が見事にみのりジュワ占領後インドネシア義勇軍の徴兵が見事に実現した。
ほとんどメナド人青年である。

結成入隊後即日より起居、規律、訓練、食事等の日常生活も含め差別無く扱った。
言葉も早く繋がり日本人の初年兵と見分けが難しい程に立派な軍人としての役割を果たせる迄になった。
連隊には三十名を編成した。
ガダルカナル戦出発の際全員故郷メナドに送り届けた。
軍の機密もあり別れを惜しむ暇もなかった。
善良な彼等はトラブルもなく我々との生活を楽しんだ。
戦後、公私の要件で十数回インドネシアを訪れたが、彼等と会う機会がなかった。

現在も揺れる政情の中で彼等はどんな活躍をしているのか、繁栄と幸せを祈ってやまない。
彼等の意思の一貫も我が国の中に流れているのだ。
歴史は尊し。




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